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Y10 4WD
(1989) 日本販売価格(東京) \2,250,000
Y10のパートタイム四輪駆動モデル Y10 4WD
走行しながら2駆、4駆の設定をダッシュパネルのボタン一つで
切り替える事のできるエレクトロ・ニューマチック機構を備えています

エンジンはfireと同じファイヤエンジンですが4WD向けに
チューニングされ6馬力アップの50馬力となっています。

価格もY10の中では最も高価なモデルであり、専用のスチール
ホイールと樹脂製プロテクター、マッドフラップを備えています

外観は一目でそれと判る高められた車高と
4WD専用のデザインを与えられています。

フロントグリルはfireLXと同じメッキモールとシルバーの格子のものが
採用されていますがウインドウ周りにはturboやfireのように
シルバーの装飾モールは装備されていません。

バンパーレベルに沿ってクルマ全体を専用のプロテクターで覆われ
いかにも「山走ります」という雰囲気をかもし出してくれています。
また、前後のマッドフラップも4WDのみの専用品となっています。

内装はfireLXと同等で特に違いはありません
相変わらずタコメーターも装備されていません。

ダッシュパネル、ハンドル左側に4輪、2輪を切り替えるための
スイッチが増設されています。

4WDはその機構から他のモデルと中身が大きく違います。
上の写真を見るとすぐに気づくのがY10のある意味アイデンティティで
あるオメガアームが存在しません。

車体の中央をプロペラシャフトが通るためオメガアームが設定できず
ごく一般的なリーフリジッドサスペンションとなっています。

また同じくプロペラシャフトのおかげで燃料タンクのサイズが小さく
容量も35Lと他モデルと比べ12Lも少なくなってしまっています。

4駆の構造自体はパンダ4×4と同じですが車格が上のY10には
パンダの手動選択式からインパネのボタンを押す事で
電気的にバキュームで切り替えされる方式になっています。

またパンダは2駆時リアホイールとともにアクスル/ブロック両シャフトが
回転してしまうのですがY10 4WDはギアボックス以降の駆動系がカットされ、かつリアホイールに設けられたフリーホイールハブが動作し
完全に後輪を駆動系から切り離すことが可能になっています。

これは2駆時の駆動効率すなわち燃費の貢献につながっています。

それと、エレクトロ・ニューマチック・コントロールは
電気的に駆動方式が切り替わる事を利用し
速度が55km/h以上では駆動の切り替えが出来ないようになっていて
切り替えボタンを押しても速度が55km/h以下に落ちた時に初めて
駆動の切り替えが発生するシステムになっています。

他のモデルと違いすぎて4WDには単体の透視図があるみたいですね
エンジンルーム
fireと一見同じですが向かって左側に謎の黒い箱が存在します、
この箱がエレクトロニューマチック・コントロールの部品です。

エンジンはfireと同じく999ccのファイヤエンジンですが
専用のチューニングが施され50psに馬力がアップしています。
馬力は上がっていますがトルクが0.2kgダウンしています

性能は排気量999cc
最大馬力50ps/5500rpm(DIN)
最大トルク8kg/3000rpm(DIN)

4WDらしくギア比も他の車種に比べかなり低いギア比が設定され
1速が28km/hであっという間にイエローゾーンに突入してしまい
2速で51km/h、3速で76km/h止まりという極端にローギア設定ゆえ
高速巡航にはすこし気を使う事が多くなると思います。
*5速 100km/h 3800rpm

JAX Y10 カタログより

独自の進化をとげるY10シリーズに追加された新時代のシティランナバウトがY10 4WDです。

その心臓部には抜群の信頼性も誇るファイやエンジンを搭載しており、
FFドライブによるシティカーとしての性格と、ボタン操作1つで雪道、ダート等郊外で有効な4輪駆動車としての、2つの性格を合わせもっています。

注目の4WD機構にはランチア・プリズマ4WD、デルタHF4WDで開発された油圧動作のエレクトロ・ニューマチック・コントロールを採用し、好燃費、ノイズのさく減、振動の排除、操作性の向上など多くの利点を備えております。また、安全面にもパートタイム4WDとしてのアイデアが生かされております。

それは、55km/h以下でないとFF←→4WDの切り替えができないという機構です。

55km/h以上では誤ってボタン操作を行っても4駆にならず、55km/h以下に速度が落ちた時点ではじめて4駆に切り替わるようになっております。
前後バンパーと同一の高さまでの大型サイドプロテクター、タイヤハウスにつくマッドフラップにより、FFモデルとの性格の違いを表しています。


■主要緒元表 4WD
車名及び型式 アウトビアンキ E-156A3
●寸法・重量 .
全長(mm) 3390
全幅(mm) 1545
全高(mm) 1465
ホイールベース(mm) 2180
トレッド<前輪>(mm) 1280
トレッド<後輪>(mm) 1280
最低地上高(mm) 130
車両重量(kg) 860
車両総重量(kg) 1135
乗車定員(名) 5
室内寸法(mm) 長さ 1700
           幅 1230
           高さ 1120
●エンジン .
型式 156A3
種類 水冷直4SOHC
内径×行程(mm) 70.0×64.9
総排気量 999
圧縮比 9.8:1
最高出力(DIN・PS/rpm) 50/5500
最大トルク(DIN・kg/rpm) 8/3000
燃料供給装置 WEBER 32 TLF
燃料タンク容量(L) 35
燃料種類 無鉛ガソリン
潤滑油容量(L) 3.88
潤滑方式 圧送式
●性能 .
最小回転半径(m) 4.65
登坂能力(%) 4WD:43/FF:35
実用燃費(km/L) 19
制動距離(初速50km/h)(m) 13.5
●電気装置 .
バッテリー容量(V-AH) 12-30
●動力伝達装置 .
クラッチ形式 乾式単板ダイヤフラム式
変速機形式 常時噛合式
変速機操作方式 フロアチェンジ式
変速比(第1速) 3.909
変速比(第2速) 2.055
変速比(第3速) 1.344
変速比(第4速) 0.978
変速比(第5速) 0.731
変速比(後退) 3.727
最終減速比 5.455/2.929
●操縦装置 .
歯車形式 ラック&ピニオン
●懸架装置 .
前輪 マクファーソンストラット式独立懸架
後輪 リーフ式リジッド
スタビライザー形式(前輪) トーションバー式
タイヤ(前輪/後輪) 135RBウインター
●制動装置 .
主ブレーキ形式 2系統油圧真空倍力式・前2輪/後2輪
ブレーキ(前輪) ディスク
ブレーキ(後輪) リーディングトレーリング
駐車ブレーキ 機械式後2輪制動
. .
●オプション .
. エアコンディショナー
. AMラジオ
. AM/FMラジオ
. AM/FMラジオ/カセットデッキ
. リアスプリットシート
. パワーウインドウ
. アルミホイール

●購入ガイド●
日本国内において4WDは非常にレア固体です。
もともとそんなに売れなかったY10なのに新たに4WDが設定されても
代理店のJAXはそんなに台数を輸入する気がなかったようで
一説によると輸入台数は20台と言われています。

日本全国たったの20台、おまけに22年も前の車です…
ほとんど絶望的としか言いようがありません

機関的な部分はファイヤエンジンということもありパーツには
不安がありません、タイミングベルト切ってもエンジンが助かる可能性が
かなり高いですし…

ただ、先にも書きましたがギア比が低いこととエンジンの
レッドゾーンが低いことも相まって
あっという間に吹け切ってしまいわりと運転しにくいか
ハイギアードで運転する事になります。
特に高速道路を走る場合は100km/hで約4000rpmなので
これはけっこう騒音が厳しそうな感じがします。
まぁもっとも遮音材は大量に詰め込まれているので
旧パンダで100km/hを余裕で出せる人は全然問題ないですが。


主だった
欠点ですが…
初期型お約束のシフトリンケージの脱落によるシフト操作不能。
エアコンもまた同様のそよ風で
都心部などでの夏は相当に苦労すると思います。

また専用パーツも多いことから4WD関係のパーツが壊れると
苦労する可能性があります。

そのほか車体のプロテクターは両面テープでくっついてるだけ
っぽいのである日気づいたら無くなってる可能性があります。
これ無くなったら当たり前ですがパーツは出てきません(汗)


標準状態での最高時速は145km/h 0-100km/h は17.5秒です。


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