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Y10 fire LX
(1986〜'89) 日本販売価格(東京) \1,680,000→\1,530,000
ノーマルのfireとどちらが基本中の基本グレードかすこし悩みましたが
「若き金持ちのステイタス」という車なのですから
おそらくメーカーとしてはLXの方が基本グレードであったのでは
ないかと思っています。
ヨーロッパのカーデザイン・アワード1986にて
量産車部門最優秀賞を受賞したのがfire LXなので・・・
機関はfireと同一で違いは内装と外観の一部のみです。

外観の主な違いはドアのウインドウ下にメッキモールが装着され
またフロントとリアウインドウの周りにも
シルバーのモールで装飾されています。

フロントグリルもメッキモールで囲われ
シルバーラインの格子を描かれています。

内装の違いはドアトリムやグローブボックスの蓋などに
アルカンタラを用いられているというところがfireとの違いです。
メーターはヴェリア製
画像の通りタコメーターはありません。

スピードメーターの他のメーターは水温計と燃料計です。
エンジンはFIRE(ファイヤ)エンジン。

現在のFIAT製エンジンの源流となったエンジンです。
FIREとは、Fully-Integrated-Robotized-Engine の頭文字から
ネーミングされたもので「完全に自動化されたエンジン」という意味です

FIATが当時の金額で900億円の巨額を投じて西暦2000年代のために
開発した(当時)もっとも進化したエンジンでした。
そのファイヤエンジンを最初に搭載した車がこの
fireおよびfire LXなのでした。

ファイヤエンジンの最大の特徴は、軽量でコンパクトな事で
部品点数がそれ以前のものより30%少なくされ
エンジン単体の重量は5ベアリングタイプでありながら96kgと軽量でした

部品点数を少なくしたことで生産性と整備性を高め
高品質、高性能を維持するためにも役立っています。

経済性の高さもファイヤエンジンの特徴で
ポート形状、燃焼室形状、冷却、潤滑ライン等全ての箇所を
研究し尽くされた結果、15%以上の燃費向上を実現しています。

性能は排気量999cc、
最大馬力44ps/5000rpm(DIN)
最大トルク8.2kg/2750rpm(DIN)

を発揮し特にトルク特性は2200〜5000rpmの間で常に
8.0kg以上を維持し続けることができます。

また、トラブルの少なさもファイヤエンジンは高く評価され
テスト段階で10万kmをノントラブルで走るきるための徹底的なテストが
繰り返された結果得られたものです。

小さなボルト1本にいたるまで材質が吟味され、すべての加工工程の
管理を徹底し、クオリティを高めた事により実現したものです。


エンジンルーム
(写真が見づらくてごめんなさい・綺麗なfireのエンジンルーム求む)
JAX Y10 カタログより

カーデザインの分野で最高の権威ある”カーデザイン・アワード1986トリノ・ビエモンテ”において、”コンパクト・ラグジュアリー・カーでありながら、シンプルで、かくも個性的でエキサイティングなシェイプを実現した”というコメントを添えられて、栄誉ある量産車部門の最優秀賞を受賞したのが、Y10ファイヤLXです。

世界のカーデザインをリードするイタル・デザイン(ジウジアーロ)、ベルトーネ、ミケロッティ、ピニンファリーナ等の名門カロッツェリアが軒を並べる都市トリノ。そこで選出されるこの賞を、まさに開発スタッフがメイン・コンセプトとしたポイントを評価して与えられたことが、Y10ファイヤLXの完成度の高さを物語っています。

FIREエンジンを始めとした、すべての基本コンポーネンツをベーシック・モデルであるY10ファイヤと共通とし、コンパクト・リムジンと呼ばれる豪華な装備を持たせたモデルがY10ファイヤLXです。
 このモデルは、住まいにおいて内装から家具に至るまで、妥協することなく徹底的にこだわるイタリア紳士が満足できる内装/装備を目標に開発されたのです。

シックな色合いのアルカンタラとキャンバスでコーディネイトされた室内は、さりげない上品さを最大のテーマとするイタリアン・デザインのポリシーを生かした仕上がりです。

充実した装備を求めて、必要以上のエレクトロニクス化に頼ったり、現実には全く使用頻度の低い、不必要な装備を持たせることに便りがちな現代のクルマ文化の時流の中で、Y10ファイヤLXの開発コンセプトは全世界から注目を集めているようです。

乗る人の求める本当の心地良さ、過不足ない完璧な装備を追及したのが、Y10ファイヤLXです。
このコンセプトで開発されたY10ファイヤLXに、シックなオシャレを得意とするヨーロッパの若者が注目しないはずがありません。仕立ての良いスーツに身を包んだ若者が、周りをう羨ましがらせるパートナーをエスコートしてレストランやカフェに乗りつける。そんなシーンがイタリーやフランスの街角ですっかり定着しています。

もちろんY10ファイヤLXを選んでいるのは、若者ばかりではありません。オフィスではショーファー付きの社用車を与えられているエグゼクティブとお見受けする紳士や、そのご婦人とお見受けする身なりの女性が、自らY10ファイヤLXのステアリングを握ってショッピングを楽しんでいる姿が、ヨーロッパ各都市の高級住宅街で見られます。ご主人のセカンドカーであり、ご婦人のファーストカーとしても、Y10ファイヤLXはステイタスを持っているのです。

■主要緒元表 ファイヤ LX /ファイヤ
車名及び型式 アウトビアンキ E-156A2
●寸法・重量 .
全長(mm) 3390
全幅(mm) 1510
全高(mm) 1415
ホイールベース(mm) 2160
トレッド<前輪>(mm) 1290
トレッド<後輪>(mm) 1280
最低地上高(mm) 120
車両重量(kg) 780
車両総重量(kg) 1055
乗車定員(名) 5
室内寸法(mm) 長さ 1700
           幅 1230
           高さ 1120
●エンジン .
型式 156A2
種類 水冷直4SOHC
内径×行程(mm) 70.0×64.9
総排気量 999
圧縮比 9.8:1
最高出力(DIN・PS/rpm) 44/5000
最大トルク(DIN・kg/rpm) 8.2/2750
燃料供給装置 WEBER 32 TLF
燃料タンク容量(L) 47
燃料種類 無鉛ガソリン
潤滑油容量(L) 3.88
潤滑方式 圧送式
●性能 .
最小回転半径(m) 4.65
登坂能力(%) 35
実用燃費(km/L) 19
制動距離(初速50km/h)(m) 15.0
●電気装置 .
バッテリー容量(V-AH) 12-30
●動力伝達装置 .
クラッチ形式 乾式単板ダイヤフラム式
変速機形式 常時噛合式
変速機操作方式 フロアチェンジ式
変速比(第1速) 3.909
変速比(第2速) 2.055
変速比(第3速) 1.344
変速比(第4速) 0.978
変速比(第5速) 0.780
変速比(後退) 3.727
最終減速比 3.733
●操縦装置 .
歯車形式 ラック&ピニオン
●懸架装置 .
前輪 マクファーソンストラット式独立懸架
後輪 Ω(オメガ)形アーム式リジッド
スタビライザー形式(前輪) トーションバー式
タイヤ(前輪/後輪) 135SR13
●制動装置 .
主ブレーキ形式 2系統油圧真空倍力式・前2輪/後2輪
ブレーキ(前輪) ディスク
ブレーキ(後輪) リーディングトレーリング
駐車ブレーキ 機械式後2輪制動
. .
●オプション .
. エアコンディショナー
. AMラジオ
. AM/FMラジオ
. AM/FMラジオ/カセットデッキ
. リアスプリットシート
. パワーウインドウ
. アルミホイール

●購入ガイド●
当然中古車でしか入手不可能な車体です。

Y10の中では最もバランスの良い車だと思います。
逆にバランスが良すぎて他の車種から比べると走りがちょっとつまらない?
馬力に対して車重が重いのでこの車で運転してると加減速が上手くなり運転がスムーズになるそうです(もちろん本人次第ですが)

ファイヤエンジンは大変静かで淀みなく吹け上がり
「回るエンジン」とよく言われますが他のツーリングやGTに比べると
頭打ちが早く回るけど煩いだけのエンジンになってしまいます。
もちろんそれでも十分に回せて遊べる故障知らずなエンジンです。
他に大きなメリットとしてタイミングベルトが切れてもバルブとピストンが
ごっつんこする確立がかなり低いのも魅力…?

エンジン周りがパンダと同じな為、部品供給の不安材料は全く無し。

主だった
欠点はシフトリンケージの脱落によるシフト操作不能になる
欠点があります。力を込めてシフト操作せず優しく優しく扱いましょう。
また、オプションのエアコンですが風力はそよ風なので
夏場はエアコン最強でもかなり暑くなります。
全グレードに言える事ですがアース不良、接点不良が多いので
その辺も留意しておきましょう。

軽く、燃費が良くガソリン代、税金等々、
お財布にもやさしいファイヤLXですがタマ数はほぼ無いに等しいです。みんなどこ行っちゃったんでしょうね?
一説によると気に入ってる人はほぼ手放さないか売ってもお金にならないから乗りつぶす…って事で市場にでこないっぽいですが。

なお標準状態での最高時速は145km/h 0-100km/h は16.0秒です。



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